突然だけど、僕は散歩が趣味だ。
休日に家にいるのがキライな僕は、必ずといっていいほど、休みの日には散歩に行く。
ある日には、新宿に行ったり・・・
ある日には、浅草に行ったり・・・
東京に住んでると、散歩のコースは沢山あって、ネタが尽きる事はない。
僕はこの前の休日、やっぱり散歩に行って来た。
銀座へ。
銀座は独特の雰囲気がある。
ここは、日本で最も一流品が集まる場所であると共に、お洒落をしても許される場所だ。
これほど、独特の空気がある場所は、東京広しといえどもなかなか無い。
さて、そんな銀座だが、僕には一軒のお気に入りの場所がある。
いや、「あった」というべきだろうか・・・
a testoni 銀座本店
a testoni は、イタリアの最高級靴ブランドの一つだ。
その本店であるここは、イタリア高級品の一つの「こうあるべき」スタイルを教えてくれる貴重な場所だ。
場所は、銀座の外れ、新橋の近く。
僕は銀座に来ると、ここに必ず足を運び、高級品の空気を味わっていた。
さて、久しぶりにこの店に来たのだが・・・
・・・
・・・何か、雰囲気が変わっている。
二階のメンズ売り場に上がってみた。
a testoni の看板であるボロネーゼ製法を駆使した銘柄 「BLACK LABEL」
10万以上するこのラインアップが、片隅に追いやられている・・・。
代わって、4,5万のスニーカーが幅を利かせていた・・・。
a testoni といえども、時代の流れに逆らえないのか・・・
僕が初めてこの店に来たときには、堂々と店の真ん中を 「BLACK LABEL」が占めてたのに・・・。
一番のショックは、僕のお気に入りの店員さんが、いなくなっていた事だった。
本名はさすがに書けないが、25歳くらいの女性だ。
いつも自然な笑顔で応対してくれた、気の合う子だった。
僕は自分が 「銀座にふさわしい男」 になるまで、まだまだだと思っている。
正直、田舎くささが抜けていない。
背伸びもしている。
だが彼女は、そんな僕を、いつも気後れさせる事のない応対をしてくれた。
同じファッションの売り場に立つ人間として、一種の尊敬の念も持っていた。
いつも、季節の知らせの時には、自筆でわざわざ50文字くらいの文を書いてくれたものだ。
今年の夏頃から、自筆の文が無くなっていたから、気にはしてたんだけど・・・。
彼女の代わりに出てきたのは、真っ黒に日焼けした、いかにも遊び人風の男。
ふう・・・
高級店にふさわしくないなあ・・・
まあ、そりゃ良い格好してるけどさ・・・
ん?日焼けは関係ないだろって?
あるに決まってんじゃん・・・
て、言ってる様なもんじゃん・・・その真っ黒な日焼け・・・
どう思うよ?
お客さんの中には、毎日、一生懸命働いてる人だって沢山いるでしょ〜が・・・
高級店とは、高級な品物があり、高級な応対が出来る店の事を指すものだ。
a testoni 銀座本店は、その両方を亡くしてしまっていた。
5万の革のスニーカーなんて、どこででも買える。
どんな聞こえの良い言葉遣いをしようが、その日焼けした肌は隠せない。
僕がこの店に求めていたのは、「一流」に対する「憧れ」であり、「尊敬」だったのだ。
静かに込み上げる寂しさを感じながら、僕は店を出た。
何も買うことも無く、特に喋る事も無く・・・
外は、ぽつりぽつり雨が降っていた。
僕は傘をさして、新橋の駅へと、一人てくてく歩いていった。
「あ〜あ・・・やんなっちゃうなあ・・・あのお姉さん、かわいかったのに・・・(本音)」
ばい しんどばっと ・・・・・2005/7/27より
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a testoni 銀座本店
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