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---ファッション論考---
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し ゃ れ ど う
Clinic
---Dr「S」の診療所・G・Hさんの場合---
5:G.Hさんの場合
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カルテ handol name G・H 女?男? ?歳
相談 セーター買ったんですけど、毛玉や毛羽立ちが起こりやすいんです。
毛(メリノ・ウール)100%って製品表示に書いてますけど、
本当はアクリル混のセーターじゃないのかなあ?
こういうのって、どうやって調べればいいんですか?
はいはい、なるほどなるほど。
ニットの毛玉や毛羽立ちに関しての相談ですね?
ニットの毛玉は、人間が動くことによる摩擦で服がこすれることが主な原因です。
ニットの毛羽立ちは、これも服が動くことにより、ニットの編みがほどけてくることが原因です。
毛玉や毛羽立ちは、ニットの宿命みたいなもので、毛玉や毛羽立ちを防ぐことは究極的にはムリです。
まあ・・・着なかったら、防げますけどね。
今回の相談は、アクリル混なのではないか?ということですが・・・
G・Hさんがこう思った理由は、恐らく・・・
こう考えたのだと思います。
ふむふむ・・・確かにこう考えることは、十分可能ですね。
ではまず、毛玉や毛羽立ちが出来やすいセーターとは、どういうセーターなのか?
それはこういうセーターです。
以上ですね。
というのは、代表的なものとしては、カシミヤです。
逆にツヨイ繊維の代表はナイロンですね。
ナイロンはフィラメントで出来上がりますから、セーターには使われません。
セーターに使われる短繊維で頑丈なのは、なんといってもアクリルです。
つまりアクリルのセーターというのは、一番毛玉や、毛羽立ちが起こらないんです。
というのは、こういうことです。
例えば、毛(メリノ・ウール)といっても、ピンからキリまであります。
一般的に良い毛(メリノ・ウール)とは、長くて細い繊維が良い繊維です。
細くて長い繊維で縒った糸は、強靭で、ツヤがあり、しなやかに仕上がります。
こういったセーターは極めて毛玉が出来にくく、非常に長持ちします。
というのは、わかりますよね?
ギチギチに編みこめば頑丈に仕上がりますし、ユルユルに編み込めばふわふわに仕上がります。
一般的にはギチギチに編みこんだ方が、毛玉や毛羽立ちは出来にくいです。
ですが、ニットの場合、あまりギチギチに編みこむことは少ないかなあ・・・と思います。
ギチギチに編んだら、ニット本来の風合いが消えちゃいますもんね。
さて、こう考えてみますと、毛玉、毛羽立ちが出来やすいセーターというものは、
一概にモノが良い悪いでは、決まらないわけです。
有名なのは、シャネルのファンシーツイードです。
シャネルのファンシーツイードはめちゃくちゃ高価ですが、3〜5回も着れば、もうダメになってしまいます。
編み方が鬼のようにユルイからなんです。
ということですね。
今回は、毛玉や毛羽立ちができやすいので、アクリル混のセーターではないか?
つまり本当は安物のセーターなのではないか?という事だと思います。
しかし毛玉や毛羽立ちが出来やすいのは、
むしろカシミヤ混のセーターであって、アクリル混のセーターではありません。
また、製品表示をごまかすというのは、正直考えづらいですね。
なぜかというと、服を作ってるほうも、あんまりメリットがないからです。
クリーニングの関係などで、クレームが来るくらいが関の山なんですね。
それに今の時代は、化学繊維アレルギーの人とかいますから、バレちゃいますしね。
バレたら大変です。
今の時代は情報の流れが速いですからね〜。
一発でごまかした会社は、倒産しちゃいます(笑)
あの雪印乳業だって倒産したんですもん。
私なんかは、見たり触ったりしたら、大体わかりますしね。
服でごまかす事があるとするならば、製品表示よりも、他の事でごまかすような気がしますね。
上代をわざと高く設定して、五割引!とか・・・
あ!もし化学繊維アレルギーで心配されてるようでしたら・・・そうですねえ・・・
見た目では必ずしもわかりませんから・・・
指定の検査機関に持っていくしかないですね。
私の友人の友人がそういうとこに勤めてましたが・・・
まあ、一応こういう検査機関がありますので、紹介します。
です。
なんとなく、それっぽい機関を探してみました(笑)
あとの連絡はお任せします。
一昔前なら「交織(こうしょくと読む、まじりっけの多い素材)」は安物というイメージがありましたが
今はさほど無い気がします。
それは化学繊維を混ぜる事で、シワにならなかったり、服の寿命が長持ちしたり、伸縮したりと
ちゃんと化学繊維のメリットが認められてきたからです。
今回の場合ですと、毛(メリノ・ウール)と、アクリルの交織なわけですが、
アクリルを使う事により繊維は強靭になり、毛玉も出来にくくなりますしね。
え?化学繊維って便利だねって?
そそ
化学繊維は、化学繊維で良いこともあるの。
え?何で化学繊維ばっかりの服に世の中はならないんだって?
それはさ・・・
化学繊維ってのは、「プラスティック」みたいなものなのよ。
プラスティックの器は割れないし、劣化しないし確かに便利だけど・・・
備前焼の湯のみを否定できる?
つまり世の中「便利」ってだけでは、物事を計れないってワケですね。
ばい しんどばっと ・・・・・2006/2/20より
アクリル混のセーター
一般的にアクリル混のセーターには、
安物の毛(メリノ・ウール)を使うという事は
十分考えられるケースです。
これは何故かと言うと、
品質の良い毛(メリノ・ウール)を
化学繊維との交織には使わないからです。
「どうせアクリルで補強できるんだから、
毛(メリノ・ウール)は安物使っちゃえ!」
ってなもんなんですな。
特にヨーロッパは天然繊維を重視する傾向が強く、化学繊維を否定する趣があります。
今回の考えは、あくまで私個人の考えということをお忘れなくw
注1
考察1:毛玉や毛羽立ちが出来やすいということは、品質の悪いセーターなのではないか?
考察2:一般的に、アクリル混の毛(メリノ・ウール)セーターのほうが、
毛(メリノ・ウール)100%のセーターより、品質の劣る毛(ウール)を使ってる場合が多い。
だから自分のセーターは、毛(メリノ・ウール)100%のセーターではないのではないか?
1:モロイ繊維で編んだセーター
2:短い繊維で縒った糸で編んだセーター
3:モロイ編み方で編んだセーター
1:モロイ繊維で編んだセーター
2:短い繊維で縒った糸で編んだセーター
3:モロイ編み方で編んだセーター
ニット論考
ニットはそもそも、耐久性に重きを置いて
作られていません。
耐久性より、むしろ暖かさや質感、面白さに重点を置かれてつくってるんです。
つまり仕事着や作業着などには、
ニットは考えられていません。
普段着やお出かけ着なんですね。
私はニットで仕事してますけど(笑)
注2
毛玉、毛羽立ちが出来やすい出来にくいがモノの良し悪しで決まるというのは、
あくまで、素材が同じで、編み方が同じセーターを比べたときのみなんです。
つまり洋服の世界では、”良いものは長持ちする”という原則は必ずしも当てはまらない。