さて、チノの登場です。

チノって知らないって人もいるかもしれませんね。


チノは主に「チノパン」で知られてます。

登場したのは100年くらい前のアメリカです。

戦争の時の軍服着として、開発・使用されました。


このチノ。

葛城(かつらぎ)と非常に構造が良く似ています。

何が違うというと・・・


糸が違うんですね。

葛城(かつらぎ)は単糸を使うのに対し、チノは双糸を使います。

単糸とは、一本の糸を撚ったもの。

双糸とは、二本の糸で撚ったものです。


つまり単糸を二本使って撚った糸・・・それが双糸です。


糸は細ければ、細いほど上等な糸です。

この双糸の状態の糸と、単糸の状態の糸が同じ太さなら、双糸のほうが、良い糸です。

半分の細さの単糸二本使ってるわけですからね。


つまりチノの方が、葛城(かつらぎ)より上等なわけです。

ええ、使ってる糸の太さが同じならば・・・


チノは、葛城(かつらぎ)より、さらに優れている服地(テキスタイル)と、私なんかは思います。

葛城(かつらぎ)より、しなやか・・・光沢感も少しありますよね・・・

つまり葛城(かつらぎ)より、大人な服地という言い方も出来そうですね。

糸が違うだけで、けっこう見た目も違うんですよねえ・・・単糸と、双糸だけで・・・

服地って面白いよなあ・・・


しっかーし!!!

チノは現在、人気がありません。

理由は簡単。

ファッション情報力が、圧倒的にデニムに偏っているためです。


デニムを売るために、ファッションブランドは、すさまじい力を使いました。

何と言ってもその急先鋒は、アメリカの・リーバイス社を筆頭とした、ジーンズメーカー軍団です。


ジェームス・ディーンを起用し〜の、ゲーリー・クーパーを起用し〜のの、お決まりの芸能人大作戦・・・


リベットがどうの、ボタンフライがどうの、ジッパーがどうの、ステッチがどうの、タグに使ってる文字がどうの・・・


リーバイ・ストラウスの苦労話(リーバイス創業者)、ヘンリー・デビット・リーの苦労話(リーの創業者)・・・


この、「情報操作によるファッション戦略」は、今日でも伝説になるほど、すばらしい成功を収めました。

単なる作業着服地のデニムを、一躍ファッションのトップステイタスに導いたのですからね。

おそらく今現在でも、デニムの成功以上の成功は存在しないと思います。

少なくても、服地に関しては・・・


それに比べて・・・チノはねえ・・・


まず、名前がダメなんですな。

チノの語源は、中国(china)なんですよ。

何で中国が語源なのかは、諸説あるので良くわかりません。

中国の人民解放軍が、やはりチノで戦っていたからだ・・・とか、

中国でチノが生産されていたからだ・・・とか、

まあ、様々です。


実は、私はチノが大好きです。

ジーンズより、チノパンの方が多かったですね、昔は。

理由は簡単です。








チノという素材が優れているのは、軍隊が採用していることからもわかります。

軍隊が採用しているものというのは、服地に限らず、あらゆる分野において、優れたものが多いのです。

ええ、これは全ての事柄において、言えることだと思います。

あのバーバリーの「ギャバジン」だって、軍隊が使用したからこそ、大衆に認められたのです。



けどねえ・・・

私も昔、よくチノパン穿いてたけどねえ・・・

あんまり最近は・・・どうかなあ・・・


なんでって?

だって、自分で良いと思ってたって、まわりがそう思ってないんだもん・・・

でも、まわりがそう思うのも、わかるんだよなあ・・・

この辺りは難しいんですよ。


チノは優れた機能を持つがゆえに、作業着や軍服に採用され続けています。

ですが、それゆえに、              のイメージがこびりついてしまったんですね。


ようするに、デニムは優れてないがゆえに、作業着・軍服からは遠のいてしまい、

チノは優れているがゆえに、作業着・軍服になってしまったんですね〜。

ま、もっとも最近では、アメリカ軍は、チノではなく、トロピカル・ウーステッドに代わったらしいですけどね。


チノパンは、かつてはアイビーブームに乗っかった、お洒落の主流のパンツだったんだけどなあ〜・・・





う〜ん・・・無理があるネエ・・・

アクセル最大で、下りのヘアピンカーブに突っ込むくらい無理あるよ・・・

シューマッハも、マキネンも無理。

曲がれない。


ばい しんどばっと ・・・・・2005/10/26より
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8:ボーダー
9:チェック
10:市松
模様(柄)
「そこのお嬢さん?チノどう?ほら?人民軍(中国)が穿いてたチノ!お洒落でしょ?」
チノ以上に品質(着心地、肌触り、実用性)が良くて、

かつ値段の安い服地(テキスタイル)は存在しないと思ってるからです。
チノ=作業着・軍服
6:綿:ネル
7:綿・ベルベット
注1
チノ
うう〜ん・・・パンツにこれ以上の
服地(テキスタイル)は無いのになあ・・・
なんでこんなに人気無いんだろ・・・

性能は、すべてに置いてデニムに勝る
と個人的には思います。
ただ、人気がないんです(笑)

そうだなあ・・・分かり易く言うと・・・

昔の西武のモリ監督かなあ(笑)

でも人気って大事なんだよね〜
モリ監督って、俺も好きじゃないもん(笑)