さて、これは                    と、だぶる内容になるかもしれませんね。

でも一応、ここでも取り上げておきます。

なぜかというと・・・ま、それはおいおい・・・


ギャバジンとは、防水処理された綿の服地(テキスタイル)のことです。

基本的には、チノと同じ綾織物です。

んでもって、経糸(たていと)が緯糸(よこいと)の2倍くらい密に織られているんですね。

で、斜文の方向が45度以上と急角度にしてあるんです。

これは、防水性を考えた時、水玉が下に落ち易いように考えたんですな。

で、打ち込みも密にしてあります。

これはやっぱり防水性を考えた時、ある程度細い糸でキツく打ち込みしてないと、

水が入っちゃうからですね。


ギャバジンを考えた場合、やっぱり外せないのは「バーバリー」でしょうか。

そう、あの有名なイギリスのブランドの「バーバリー」ですね。


第一次世界大戦時、戦争は近代化の波が迫ってきました。

特に変わったのが機械(戦車)の登場です。

それまでは馬に乗った騎兵が主力兵器だったのが、戦車の登場で様変わりしたんですね〜。

当時の戦車というのは、今のような高性能ではなかったんです。

燃費は悪いわ、弾薬はすぐなくなるわ・・・

しかし、その火力は圧倒的でした。

こうなると、大砲の打ち合いになるわけですよ。

すると、打ち合って進む、打ち合って進むのチンタラした、押し合いへし合いになるんです。

いわゆる「戦線」と呼ばれる「線」の、押し合いへし合いになったんですな。


この考え方を完全に否定したのは、第二次世界大戦のドイツの将軍、

エーリッヒ・フォン・マンシュタインと、ハインツ・グーテリアン。

彼らは「電撃戦」と称する、機動力による一転突破作戦を・・・


ってこれは戦争のホームページじゃないぞっと。


ま、とにかく塹壕(ざんごう=トレンチ)に歩兵が潜って、何日もいなきゃダメになったんですよ。

塹壕というのは、銃撃をかわす穴のことですね。

穴だから、当然水も溜まるってわけ。

それで防水性の高い軍服が求められたんですね〜。


で、時のバーバリー商会当主、トマス・バーバリーが考えたのが、

このギャバジンで作ったトレンチ・コートなんです。

元ネタは、農夫がしていた雨よけの上着だったみたいですね。


ちなみにバーバリーが使用しているギャバジンは、「バーバリー」という名前のギャバジンです。

これは、従来のギャバジンを更に改良し、防水性を高めた生地(テキスタイル)です。


さて、このギャバジンで言いたい事というのはですね〜・・・








基本的に、綿(コットン)というのは、吸水性が高い素材(マテリアル)なわけですよ。

だから汗を吸う→夏によく使われる、というわけですね。


ところが、このギャバジンは水を吸いません。

綿(コットン)で出来ているのに・・・です。


素材(マテリアル)・・・特に綿(コットン)は、世界中で愛されています。

涼しい地方、暑い地方・・・まさに八面六臂の活躍ぶりです。

雨を凌ぐ為にギャバジン、暑さを凌ぐ為にサッカー、寒さを凌ぐ為にコーデュロイ・・・


中でも、このギャバジンは、綿(コットン)という素材の素晴らしさを

もっとも顕著に示した服地(テキスタイル)といっても、過言では無いと思いますね。

なんといっても、綿(コットン)なのに、水を通さないっていうんですからねぇ〜・・・。





ちなみに、このギャバジンで有名なのは、↑で紹介した「バーバリー」と、

                  で紹介した「アクア・スキュータム」です。

両方とも、イギリスのメーカー。

両方とも、第一次世界大戦でイギリス軍に使用されたトレンチコートを作ったメーカーです。


イギリスは雨と霧の国です。

イギリスは他にも例えば、傘のブランド「フォックス」や、オイルドコートの「バラクーダー」があります。

「防水」にかけては、文句なしに世界一の国です。


ひょっとしたら、イギリスの「雨」が、高性能なギャバジンを作ったのかもしれませんね。


あ、そだ

ギャバジンは、イタリア語の[gallederdine]が語源です。

中世に着た、丈の長い、ゆったりした上っ張り、緩やかな形の外套、労働着のことなんですって。


ばい しんどばっと ・・・・・2005/10/27より
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服を考えた場合、確かに素材(マテリアル)も大事ですが、

服地(テキスタイル)にする事で、まったく意味合いが変わる場合もある・・・ということです。
服のデザイン・2:トレンチコート
素材(マテリアル)だけでは、服地(テキスタイル)は語れないと言う事ですね。
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注1
ギャバジン
ギャバジンを語るとき、必ず出てくる
バーバリーとアクアスキュータム。
正直、食傷気味な私(笑)

でも、実際はギャバジンって
もっと前からあったんじゃないのかなあ?
だって、単なる綿の綾織だもん(笑)

今は防水生地が沢山ありますから、
特にギャバジンが優れてるわけでは
ないと思います。
が、バーバリーのトレンチコートを買って、過去の伝統に触れてみるのも
よろしいんではないかい?