1:ライカの綿シャツ
さあて、お目付け役一人(女性)を引き連れて、
「スタンド衿( )シャツ」を探しに、やってきました百貨店。
だけどね?
スタンド衿のシャツなんて、置いてないんですよ。ホントに!
今頃、田舎のやくざくらいですよ?スタンド衿のシャツ着てるのなんて・・・トホホ。
結局、置いていたのが、なんとRAIKAだけ。
薄いグレーと、薄いベージュのシャツでした。
値段が25000円・・・・
「たっけえ・・・・」と思う私を尻目に、
「やすいわねえ!」と、横でのたまう、お目付け役。
ふ〜ん・・・、普段35000円もするブラウスを売ってる人は、言う事が違うね〜。
私は内心、「オイオイ・・・ふざけろよ?」と思ってましたが、ここはポーカーフェイスを崩せません。
なんでって?
いやあ、売り子のオネエサンが、かわいくてもう、
私のど真ん中ストライクゾーンに、直球ズバリだったんですよ。
武士は食わねど、つまようじ。
ココは、渋く・・・「全部でいくら?」
言っちまったああああ〜〜〜〜〜!!!!
くうう・・・男はつらいよ・・・
・・・リンクマップ・・・
さて、今日から、私の思い出の服を紹介します。
一回目は、RAIKA( )のシャツです。
これは、懐かしくも、私が今の店に出るときに着た、最初の服です。
そもそもの発端は、社長から
「スーツを着ちゃダミ。堅すぎる。」と言われた事から、発端します。
ウチの社長は、86歳のおばあちゃん。
バリバリの大正生まれ。今も毎日毎朝、神様、仏様にパンパンしてます。
時代感覚は、やはり白黒写真から、抜けられないようです。
私の感覚では、スタンド衿のほうが、よっぽどカチカチな気がする・・・
というか、今頃スタンド衿って、どうなの?イヤ、マジで?(素)
しかし、社長命令には、逆らえません。
というか、ウチの社長を怒らしたら大事(オオゴト)です。
ナイフが飛びますから、マジで。
カベに刺さった事もあります。ビイィ〜〜〜ンって。
殺す気ですか?マンマンですか?
というわけで、私はナケナシのお金を握り締め、百貨店に行ったわけです。ハイ。
ライカ
実はウチの店の近くに、
本社ビルがあったりする日本ブランド。
その実力は、日本のほとんどの
百貨店に入ってることからもわかるが、
かつて、一世を風靡した。
実は、ヤクザさん
御用達ブランドだったりして(笑)
ブランドで後述する予定。
注1
注1
↑の写真がスタンド衿です。
マオカラーという人もいますが、
マオカラーとはちょっと違います。
マオカラーよりは、スタンド衿のほうがいいす。個人的に(笑)
注2
注2
さて結局、この日私が揃える事が出来たのは、シャツ×2 パンツ×2 の2セットだけ。
この日から、三ヶ〜四ヶ月間、私、この2セットのみで通しました。
ウソのようなホントの話ですが、ホントです。
だって、ホントの話なんだもん。
かといって、うちは一応、高級ブティック。
毎日、身なりはキチンとしなければいけません。
汚いシャツや、シワクチャのシャツなんて、もってのほかです。
が!
25000円のシャツなんて、とても自動洗濯機にかけれませんから、( )
この日から、ほとんど毎日、手洗い→アイロン→手洗い→アイロン→・・・・の無限連鎖。
「やすいわねえ!」の一言で、このような苦行・・・もとい、貴重な経験をさせてくれた、
付き添いの女性には、心底はらわたが、煮えくり返る・・・もとい、感謝の気持ちで一杯です。
ええもう、腹一杯です。たくさんです。二度とごめんです。
私のアイロンテクニックと、手洗いテクニックは、このライカのシャツによって、鍛えられたものです。
それは、それで貴重な体験では、あったのですが、
私が「RAIKAのシャツ」で、言いたいのは、こんな事じゃありません。
私は、自分の服は、
ほとんど自分で手洗いしてます。
はっきり言って、自動洗濯機は
個人的に論外と思ってますんで。
あれだけ、ぐるんぐるん
服を回せば、そりゃ痛むってもんです。
10年は着るぞお!(笑)
注3
さて、時は過ぎ、ライカのシャツもタンスに一旦休憩です。
で、一年振りにシャツを着ようと、タンスからライカのシャツを取り出した時・・・
実は正直言うと、このシャツを買った当時、
私は、なんでこのシャツが25000円もするのか、全くわかりませんでした。
「ど〜せ、一流ブランドによくある、ぼったくりだろうな・・・」
くらいにしか、考えてなかったのです。
それは着た後もそうでした。
特に、このシャツを「品質のいい、特別なシャツ」とは思ってなかったんです。
単に、「値段が高かったから」という理由で、大事に手洗いし、3〜4ヶ月間、過ごしたってだけなんです。
ところが、一年経つと、まったく違って見えました!!!
私は、タンスの中のライカのシャツを、
触らなくてもぱっと見ただけで、その品質の良さがわかるようになっていたんです。
しかも、袖を通した時の、着心地は、極上です。
柔らかくて、コシがあり、さらっとしている。
肌にも全然まとわりつきません。着ていて、涼しさすら感じます。
シワが付いても、すぐ戻りますし・・・。
よくあるパリパリの綿シャツ( )なんか、もう全然相手になりません。
なんでこんなに変わったのでしょうか?
それは「経験」です。
今まで、「本当に良い素材の服」に触れてなかった私は、
最初、ライカのシャツが、どれだけ良い物か、全然わからなかったのです。
しかしライカのシャツをず〜っと着ていたがために、他の悪質なシャツとの変化に気付いた・・・
まあ、ぶっちゃけ贅沢になったんですね〜。
私はこの「RAIKAのシャツ」から、実に沢山の事を学びました。
時は過ぎ、今まで、イロイロなシャツを購入した私ですが、
今なお、この 「RAIKAのシャツ」 以上の綿シャツに、私は巡りあったことはありません。
「RAIKAのシャツ」
コレで私は初めて、「洋服の世界」における一流品の実力を思い知ったのです。
ばい しんどばっと・・・・・2005/4/21〜24 より 2005/8/01改定
一応、パリパリシャツの
言い分ってのも、あります。
服は、一概に柔らかければいい・・・
というわけでもありません。
硬く織ることで耐久性を高めたり、
硬い風合いを好む人硬い風合いじゃないと、
全体のバランスが取り辛い場面も
でてくるでしょうからね〜。
ま、何事も経験です。
一回買って見なさい!
3万円くらいのシャツを!
清水の舞台から、飛び降りるつもりで(笑)
大丈夫!
失敗しても三万円だから!
注4
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
・・・・・・
・・・・・・むちゃくちゃ、いいじゃん・・・・・・このシャツ・・・・・・
注3
---ファッション論考---
Link map
し ゃ れ ど う
注4
Eternal one
---思い出の一着・ライカの綿シャツ---
私 「んじゃ、何着ればいいの?」
社長 「ん〜あれなんかいいんじゃない?ほら?スタンド衿のシャツとか?」
私 「・・・スタンド衿のシャツ???」
女の子 「全部で、八万五千円になりますぅ」
1 : 普段から上質なものに触れていないと、上質をわかる目が育たない、という事。
2 : 「いい服を着ている」という幸せを味わうには、多額の投資が必要だ、という事。
3 : 言葉では、「いい服の良さ」というものが、伝えづらい・・・感覚の問題だなあ、という事。