８：銅色のウィンドブレーカー

さて、みなさん？

服装で笑われた事って、ありますか？

私はあるんですよね～

昔は正直、私の場合、服なんて、ど～でもいいと思ってたトコロが無くも無いですから。

ってゆうか・・・男ってけっこうそうなんじゃないのかしら？

さて・・・では私の場合、どうやって対処したか？

というわけで、「銅色のウィンドブレーカー」の登場です。

私は中学の時にテニス部にいたんです。

んでもって、初めての練習試合の時が来たんです。

そして、練習試合当日・・・

まあ・・・ようするに、みんなは自前のジャージを着ていたんですが・・・

私は、持ってなかったんですね。

ジャージ・・・

で、テキトーな服を探して行ったんです。

どんな服着ていったのか、もう忘れたなあ・・・

けど、みんなに笑われた事は、鮮明に覚えてますね。

ウチの兄貴は野球部ですので野球のユニフォームは、腐るほどあるんですが・・・

ジャージはお古がなかったんですね。

私も、正直たいして深く考えていなかったんですが・・・

なにがマズかったかというと・・・

私、キャプテンだったんですよ・・・はい・・・

う～ん・・・ごもっともでございます・・・

というわけで、その日の夜、オカンを伴ってスポーツ店に行ったんです。

けどねえ・・・

私がジャージを持ってないのは、ある理由があったんです。

そ～なんですよ・・・

ジャージが私、大嫌いなんです。

まず、冬寒いでしょ？これでモウダメです。

次にダサイでしょ？これでカナリダメです。

で、みんな同じデザインでしょ？

あ～あ・・・サイアク・・・

はっきり言って、何でみんなジャージなんか着てるのか・・・

それすらもわかりませんでしたからね。

で、スポーツ店に行って・・・

パッと目に止まったのが、銅色のウィンドブレーカー。

もう、一瞬で惹かれましたね。

店に入った瞬間に。

その頃、ウィンドブレーカーなんか着てる中学生は、私の周りに一人もいませんでしたから、

私は、存在自体、知らなかったんですよ。

ウインドブレーカーの。

試着したらビックリ！！！

メチャクチャ暖かいんです！！！

この言葉の意味が試着したら、すぐわかりました。

風を受けないって、こんなに暖かいって事なのかあ・・・て。

はい、けってい！！！

いくら？

・・・

・・・28000円？？？

・・・

・・・嘘でしょ？？？

・・・

他の商品は？

へえ・・・・これが一番高いんだあ・・・しかもダントツに・・・

しかし、オカンは恥をかいた子供を不憫に思ったのか、お金を出してくれました。

ごっちゃんでえっす！！！

つ～か、いいじゃん、たまには買えよ。

いっつもお古なんだから。

この服が、人生で初めてのまともなプレゼントだったような気がするなあ・・・

今、振り返ってみたらだけど・・・。

誕生日もクリスマスも無かったからネエ・・・ウチは・・・

さて・・・それからです。

練習試合の前に・・・たしか校内のマラソン大会があったんですね。

学校の外でやる大会だったので、みんな体操服の上に自前のジャージ着てたんですよ。

するとですね～・・・

そうです。

テニス部の連中がやってきたんです。

「ぷぷぷ・・・どんな格好してんだろ？」

てなもんだったんでしょうね～。

よりによって、顧問の先生まできてやんの・・・

みんな黙りこくってやんの・・・

ま、こんなもんですな。

私が買ったのは、大人用のウィンドブレーカー。

中学三年で175ｾﾝﾁありましたからね。

もう細部の作り・服全体の雰囲気が全然違ってたんです。

中学生の着るようなヤツとは。

正直、かなり目立ってたと思いますが・・・

私はいつも自分に自信満々でしたから、そんな事、鼻にもかけなかったですね。

だいたい、自分の金で買ったわけじゃないですから。

ええ、だから汚いカッコで笑われた時も、ホントーはあまり気にはしてなかったんですよ。

それは、親が着せなかったのが悪いんであって、自分のせいじゃないだろって。

だから、私がいい服を買ったのは、自分の名誉より、親の名誉を考えていたと思います。

今、考えてもね。

この服は結局２０歳過ぎるまで、ず～と着てました。

この服は兄貴もガンガン着てましたからね。

ええ、逆お古というやつですね。

最後はやっぱり破けてしまいましたが・・・

学校でも、ウィンドブレーカーを着てる子は私一人でした。

つ～か、先生よりいい服着るってのもどうかとも思うけど・・・

ま、いいか。

笑われた分の仕返しと思えばねｗ

服で笑われたら、服で仕返ししんさい。

誰でも出来る事ですよ。

大切なのは、プライドと気合とお金です。

ばい、しんどばっと　・・・・2005/10/1より