ビスコース・レーヨンの始まりは、フランスです。

元をたどれば、高価な絹(シルク)の代用品として開発されたのが始まりなんですね〜。


木材パルプのセルロース部分をアルカリ処理して、薬品で溶かしたものを繊維にする・・・

つまり、「紙」みたいなものですね。

これを「再生繊維」と呼んでいます。

再生繊維は、土に埋めると分解・消滅しするエコロジーな繊維です。


といっても、木材をバッシバッシ切り倒すので、なかなかエコロジーともいえないんですけどね。

エコロジー謳(うた)うんなら、切った分の木を植えてからにしてね?


さて、このレーヨン。

ヨーロッパ・・・特に一流ブランドは、綿の代わりにレーヨンを使います。

私が三喜商事の展示会に行った時のことです。


三喜商事といえば、エトロ、アニオナなどの超一流ブランドを取り扱っている商事会社。





・・・と思いつつもキョロキョロしたわけです。

で、一枚のカットソー(つまりTシャツ)を見たわけです。








も〜ビビリましたね。

なんで、こんなチャチなTシャツが10万円もすんだよ!って。

で、その素材は・・・というと「レーヨン」だったわけです。


ヨーロッパの夏の高級素材は「レーヨン」です。

その理由として・・・


1:ヨーロッパは気候的に汗をあまりかかない。

  レーヨンは、綿よりも汗の吸収率が良く快適。ちょっとの汗には最高の素材。

2:レーヨンは綿よりも、色だしが綺麗。

  ヨーロッパは綺麗な色使いが勝負!決して一流ブランドは色に妥協しない。

3:レーヨンは肌触りがいい

  とにかくなめらかな肌触り、綿では遠く及ばない。


というわけです。 


これが、日本の夏だと、一味違います。

とにかくダラダラ汗をかく日本で、レーヨンを着ていたら・・・


1:いくらレーヨンが汗の吸収率がいいといっても、限界がある。

  びしょぬれになると、シワになって、後戻りできない・・・・つまりパア

2:色だしが綺麗といっても、基本的にレーヨンは紙。

  びしょぬれになったら、色がにじむ・・・・つまりパア

3:肌触りがいいといっても、汗をかきすぎたらダミ。

  肌触りがいいのは、あくまで乾燥してる間だけ・・・つまりパア


というわけです。

レーヨンという素材ほど、地域差が出る素材ってなかなか無いかもしれませんね〜。


ヨーロッパのデザイナーに、「日本では夏の服は、綿で作ってくれ!」と言ってもダメらしいです。





てなもんらしいです。


ま、これはこれで分かりますけどね。

意地を張って、ナンボですからね。

一流ブランドは。


レーヨンは絹(シルク)の代用品だけあって、その光沢感もなかなかです。

高級服地の裏や、高級下着にも使われてますよね〜。

気持ちいいですよね〜・・・絹(シルク)みたいで。

ドレープも綺麗に出てきます。

レーヨンってけっこう重いですから、その動きは独特です。

体に沿うような動きをしますから、この辺りもポリエステルと違うとこかも・・・


レーヨンの泣き所は、なんといっても・・・





これに尽きますね。

基本的に「紙」なんで、これはしょうがないんですけどねえ・・・

紙を濡らすとシワシワになっちゃうでしょ?あれと同じです。

くうう・・・これさえなければ・・・メチャクチャいい素材なのに・・・


残念!!!


あ、ちなみにレーヨンの意味は「光る糸」

光沢(仏:luster)と綿(cotton)を組み合わせた言葉です。


昔の人が、絹(シルク)という素材に、いかに思いを馳せたか・・・

その情熱が、わかるってもんじゃないですか・・・

この「レーヨン」という素材でねw


ばい しんどばっと  ・・・・・2005/10/15より
・・・リンクマップ・・・
---ファッション論考---
Link map
し ゃ れ ど う
Material
---素材・ビスコース・レーヨン---
7:ビスコース・レーヨン・・・元はといえば、絹(シルク)の代用品〜
Top pageへ戻る
服の素材、服地について
--Fashion--
ファッション論考
--Textile and material--
--Top page--
(随分場違いなとこに来たな、コリャ)
・・・・100、000???

えっと〜・・・1万円?・・・じゃなくて・・・・じゅ・・・10万円???
「な〜んで、そんな安物の素材、使わ無きゃならんの?ナメテルの?俺らは一流ブランドよ?」
「とにかく、水に弱い」
Material
1:綿(コットン)
2:麻(リネン・ラミー)
Material
3:絹(シルク)
4:毛(メリノウール)
5:毛(カシミヤウール)
6:毛(アンゴラウール)
Material
7:ビスコース・レーヨン
天然繊維・植物系
天然繊維・動物系
化学繊維・再生繊維
8:ポリノジック・レーヨン
9:キュプラ
Material
10:アセテート
11:トリアセテート
12:プロミックス
Material
13:ポリエステル
14:アクリル
15:ナイロン
化学繊維・半合成繊維
化学繊維・合成繊維
16:ビニロン
17:ポリウレタン
Material
18:テンセル
19:リヨセル
Material
20:ステンレス
指定外繊維
金属糸
注1
レーヨンは「紙」
これは私の独自論では
ありません。

アパレルのお兄さんと
話していた時、
「わかりやすい言葉だなあ・・」
と思って引用させてもらいました。

アパレル言葉では、
「ペーパーライク」と
言うんですよね。

アパレルの世界って、
パソコンと一緒で、
難しい言葉にしたがるの(笑)
注2
レーヨンは触ると、冷たいです。
これを「冷感」と言います。

この「冷感」があるからこそ、
ヨーロッパの夏素材なわけ。

この「冷感」
なんでレーヨンにあるかというと、
水分吸収率が極めて高いからです

ほんとに冷たいから、試してみて?