さて、服地というと・・・普通の人は表地しか見ないかもしれません・・・

しっか〜っし!!!

実は服地って三種類あるんですよ。

知ってました?


一つは

これはわかりますよね?

普通に表に使ってる服地です。

Yシャツみたいな単(ひとえ)の服は表地100%です。


次に

これもわかりますよね?

裏に貼ってある服地です。

主にスーツなどの合わせの服に使われてます。


んでもって、   です。

これ案外、みなさん意識にないかもしれませんね〜。

これは服の芯に使われている服地です。

ネクタイなんかの良し悪しって、案外この芯地によるところが大きいです。


さて、今回のキュプラ・・・

主に裏地に使われる事の多い素材です。


裏地の役目ってみなさんわかりますか?

主な役目としては・・・


1:服と服の滑りを良くする・・・つまり着心地の良さを高める

2:暖かくする・・・つまり暖房効果を高める

3:水分を吸い取る・・・人間は暖かくしたら、水蒸気を発散している。

4:お洒落の為につける・・・表地とのコンストラストを楽しむ。

5:服の補強の為・・・やはり合わせのほうが、型崩れしにくい。


以上かな?

どうです?

けっこう大事でしょ?

裏地って?


で、登場するのが、キュプラってわけです。

キュプラの良い所はなんといっても、絹(シルク)と似ているところにあります。

もちろんレーヨンも似ています・・・

というか、キュプラってレーヨンの一種なんです。

キュプラとは「Cuprammonium Rayon」

つまり、日本語では「銅アンモニアを使って作られた光る糸(レーヨン)」という意味です。


キュプラはレーヨンより高価なので、高価格な商品の裏地には、このキュプラが使われます。

つまり裏地を見て、キュプラだったら、その商品は高価ってわけ。

これは私も確かにそう思いますね〜。


逆に安い商品で、裏地がキュプラだったら?

それはそのメーカーが良心的なメーカーと言う事です。

ええ、キュプラ使ってボロイ服って、なかなか無いと思います。


私も服を見分ける時には、裏地を見ます。

キュプラを使ってるか、使ってないか・・・

これは大事な判断要素だと思いますね〜。

キュプラを使うか、使わないかってのは、コストの問題意識だけなんですよ。

あと、「こだわり」ですね。


ウチで扱ってたメーカーで、いい素材を使ってたメーカーがありました・・・

裏地には必ずキュプラ。

毛(ウール)でも、安値の商品でも、タスマニア・ウールを使うメーカーでした。

もうなくなっちゃいましたが・・・


こういうメーカーは、縫製も手抜きしてないんですよ。

ええ、服の仕立てもばっちりでした。


まあ・・・その分、仕入条件も厳しかったですけどね。


みなさんも、服を買うときは、裏地をチェックしてみて下さいな?


え?

高いお金出して買ったジャケットの裏地がポリエステルだったあ?

あーた、そりゃボッタクラれてるんですな。

残念!!!


と言いたいところですが・・・

まあ、そういう単純な問題でもないのよ。

例えば、白の綿のジャケットなんてあるとするでしょ?

クリーニングで汚れが落ちない場合は、水洗いするしかないのでキュプラ使ってたら困るわけ。

そういう場合は、ポリエステル使ってたほうがいい・・・なんて場合もあるの。

ま、イロイロ知っておけば、イロイロわかって楽しいぞな、もし


ばい しんどばっと ・・・・・2005/10/15より
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注1
キュプラ
これは別のコーナーで
もう一回取り上げると思いますが、

「裏地にキュプラ」
これは確かに、良い服を
見分ける判断材料になります。

キュプラが、レーヨンやポリエステルより上質とかではないんです。

本質は「メーカーの良心」です。

値段の高い服に対して、
メーカーがどれだけの良心を
その服に込めるか・・・
ここに目を光らせて下さい。
注2
服には様々な事情があります。

一概に良い材料を使えば
いいってもんでもないんです。

この「白に綿のジャケット」は、
一番わかりやすい例と思います。

水洗いと油洗い(クリーニング)
色の違い
服が使われる環境の違い

まあ全部考えると、メンドイから
そんなに深く考えなくても
いいんだけどね(笑)