化学繊維の王様と言ってもいいでしょうか?

化学繊維の中で、今最も生産されているのが、このポリエステルです。

なぜ、そこまでポリエステルが利用されているのか?

ん〜・・・


まず、ポリエステルの特徴を挙げていきましょうか・・・


1:とにかくシワにならない。

 天然繊維と比べた時、ポリエステルの最大の優位性はコレ!


2:天然繊維との相性がいい

  綿(コットン)や毛(ウール)と混合しても風合いを損ねない。

  他の化学繊維との最大の違いはコレ!


さて、このポリエステル。

出来たのはイギリスです。

世界で初めての合成繊維は、ナイロンなんですが、それを作った博士が一旦は作ったんですよ。

でも、なかなか実用的でなかったらしいです。

んでもって、それをイギリスの研究チームが持ち帰り、実用化に成功したってわけ。


ポリエステルの面白いところは・・・、

例えばナイロンは天然繊維に無いモノを求めて作られたのに対して、

ポリエステルはひたすら天然繊維になろうとしているところにあります。





シルキー(絹っぽい)なポリエステル

ウーリー(毛っぽい)なポリエステル

コットンライク(綿のような)なポリエステル

リネンタッチ(麻のような)なポリエステル


う〜ん・・・全部あるね・・・これ・・・

有名なのは、東レの「シルック」でしょうか?

ウチは呉服も置いてますので、コレ置いてます。

はっきり言って・・・ホンモノの絹(シルク)と一見、なんら変わりません。

他人が見ても、わからないんじゃないかなあ・・・

ただ、着物を着ている本人はわかりますね。

まあ、要するにやっぱ絹(シルク)の着心地には勝てないってわけです。

でも・・・

実用性で言うと、ポリエステルってケタ違いに優れてるんですよ。

ハッキリ言って、全ての素材で最も実用性に優れている・・・

それがポリエステルです。

何回洗ってもオケ・・・つ〜か、基本的に汚れません。

シワにもなりませんしねえ〜・・・

ある意味、デニムより丈夫です。

ええ、ガンガンに使ってもらってけっこうです。

生地の厚さも調整できますから、夏でも冬でもオケです。

つまり丈夫ってわけ・・・ナイロンの次に丈夫なのは、このポリエステルです。


ポリエステルの欠点は・・・と聞かれたら、正直困ってしまいます・・・。

昔はイロイロあったんですよ。

例えば、吸湿性の悪さです。

これはポリエステルだけじゃなく、他の合成繊維もそうですが・・・

合成繊維は、基本的に水分を吸収しません。

つまり汗を吸い取らないってわけ。

つまり夏場にあっちくってたまらんわけですよ。


・・・しかし、これも今ほとんど解決しているらしいです。

つまり水分を吸収するポリエステルがあるってわけ。


あと、プリント性の悪さも挙げられますね。

ウチの店に良く、汚れたシャツを黒く染めにくるお客さんいます・・・

けど、ポリエステルは、後染めできません。

つまり、糸にする段階で染めなきゃいけないってわけ。

生地にしたら、もうアウトなんですね〜。


でも、これもほとんど解決してます。

つまりプリントできるようなポリエステルがあるってわけ。


ん〜・・・

かなり無敵な素材になりつつあるんですよ・・・

ポリエステル・・・

つまりそれだけ、化学技術が進化したんですね〜・・・


昔は、ポリエステルは、他の化学繊維同様、安物服の定番素材でした。

ですから、ポリエステルはまず混合素材で勝負したわけです。


有名なのは、男物のシャツです。

例の綿65:ポリ35のシャツですね?

つまり、ノーアイロンシャツです。

洗ったらすぐ乾くし、アイロンもしなくてオケ、着てもしわにならない・・・

まず、これで消費者に受け入れられたんです。


その後も開発者の鬼のような研究で、グングン進化・・・

今は、天然繊維より高価なポリエステルまである始末です・・・


ポリエステルの進化はおっとろしいです。

このままで行けば・・・天然繊維を追い越すかも・・・

いや・・・もう追い越してるかも・・・


ちなみに、化学繊維の最先端国は、日本です。

これはヨーロッパも、アメリカも全く太刀打ちできません。

つまり、ポリエステルをここまで進化させたのは、日本人てわけ。

   
ただ、最後に一つだけ・・・

個人的には、どんなに優れた化学繊維でも・・・





一つはアレルギーの問題。

一つは環境問題です。

これに対する答えは、化学繊維で出すのは不可能でしょうね。


化学繊維で、最先端をぶっちぎりで突っ走っている日本・・・

そのうちの一人として、ちょっぴり寂しい話ですけど・・・


ばい しんどばっと  ・・・・・2005/10/15より
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ポリエステルは、あくまで天然繊維の代わりを目指しているんですね〜。
化学繊維は、最後には天然繊維に勝てないと思います。
Material
1:綿(コットン)
2:麻(リネン・ラミー)
Material
3:絹(シルク)
4:毛(メリノウール)
5:毛(カシミヤウール)
6:毛(アンゴラウール)
Material
7:ビスコース・レーヨン
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化学繊維・合成繊維
16:ビニロン
17:ポリウレタン
Material
18:テンセル
19:リヨセル
Material
20:ステンレス
指定外繊維
金属糸
注1
ポリエステル
いまや、化学繊維の帝王。
その変幻自在ぶりは、
恐らく全ての繊維に成り代わる事ができるまでになった。

ポリエステルが
ここまでになった理由は、
とにかく、その本質にあります。

「手入が楽」です。

シワにならない
水洗いができる
汚れにくい

ある意味、デニムより楽かもよ?
これ?
注2
化学繊維の最大の問題
化学繊維の最大の問題は、
「化学繊維だから」ということです。

いまや、地球の環境問題は
まったなしのトコロまで来ています。

ゴンゴン吸い上げる石油
ゴンゴン排出されるゴミ

みんな、このままじゃダメだと
わかっているんだけどねえ・・・

「わかっちゃいるけど止められない」ってか?(苦笑)